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「みんなにやられるがまま。言われるがままだったし、怖がりでビビリでどうしようもない臆病者だったけど。友輝と出会ってちょっと変われたんだ」 バイク君のその話を聞いて私は感動した。 いじめられた経験がある事で親近感を覚える、誰に言われるよりもその言葉に励まされた気がした。バイクはいじめをはね返せたんだ。私もいつかはそうなりたいと尊敬すらしていた。 「まあ今でもビビリは、なおらないけどね」 「ううん、バイクはすごいよ!凄く立派だと思う!」 「僕から言える事は待ってるだけじゃダメって事、いじめに限らずだけど、どんな事でも行動しなきゃね」 そう言ったバイクは誇らしげに鼻の下を指で擦った。そんな会話をしている内に運動場のトイレに到着した。 トイレのドアを開けた時だった。 後ろから誰かに押されて私とバイクは汚いトイレの床にこけた。 「ゾンビ女あ、それにデブまでいるじゃねえか。2人ともこの間はよくもやってくれたなぁ」 そこには田中君を含む5人の男の子がトイレの入り口を塞いで立っていた。 「や、やめろよ!この野郎!」 バイクは震えながらも大きな声で叫んだ。 「今日はエアガン持ってないのか?」 田中君がバイクの頭を撫でる。 「田中君やめて!」 私は田中君の腕を掴んでバイクから遠ざけようとした。 「うるせえ!」 私の手を振り払うように乱暴に振った腕は私の顔に当たった。 「なぁ、田中。もうこんな事やめようぜ。先生にバレたら何言われるかわかんねえぞ」 後ろの方からそう声がした。誰かわからないが私達を援護してくれているようだ。 「うるせー!びびってんじゃねえよ!伊原!」 「別にビビってるとかじゃねえって。河合も可哀想だろ」 田中君を止めようとしてくれているのは田中君の友達の伊原君だった。
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