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「お前も散々いじめてたくせに今さらなんだよ。もしかして先生じゃなくて友輝にビビってんのか?」
「そんなわけねえだろ。ただ5年生になってガキくせえ事してるなって思っただけだよ」
「は?てめえ友輝と同じこと言いやがって!お前もやられたいのか?」
田中君がそういうと伊原君は辺りを見渡した。
でも誰も味方になる様子はなく、裏切り者を見るように皆、伊原君を睨みつけていた。
「わ、わかったよ、好きにしろよ。でも俺は参加しねえからな」
そういうと伊原君はトイレから出て行った。
「連れなくなったなぁ、伊原も。今度あいつもしめようぜ」
田中君がそういうと取り巻き達はケラケラ笑った。
「じゃ続きだ。今日は2人もいる事だし、いつもみたいに単純な事はしたくねえな」
そう言ってトイレの天井を眺めると「閃いた」と人差しを立てた。
「デブに腕立て伏せをさせよう」
私もバイクも周りの連中もまるで意味がわかっていなかった。
「ど、どう言う意味だ」
最初に訳を聞いたのはバイクだった。
「だからこのトイレの床に両腕つけて腕立て伏せをするんだよ。10秒間に10回。もしお前がカウントに間に合わなかったらゾンビ女を一回はたく」
「はたくなら失敗した僕をはたけばいいだろ」
「ダメだ。腕立てが辛くなったら、 1発はたかれる方が楽だなんて考えるだろどうせ」
名案だと言わんばかりに私とバイク以外の皆んなが盛り上がった。
「ほら、はじめろよ」
田中君がそういうとバイクは震えながら両手を床につけた。
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