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「おい、友輝、いいか良く見とけよ」
「せーの」
掛け声の後、修平君と孝徳君は給食をバクバク食べ始めた。
味わう事など全くせず、噛む事も忘れ、白米を牛乳で流し、手掴みで主催の天ぷらを頬張る。
「ごちそうさま!」
その声はほぼ同時だった。
「どっちだ?友輝!どっちのが早かった」
「マジで全く同時だった」
「は?しっかりしてくれよ審判」
「んな事言っても同時なもんは仕方ないだろ」
友輝君、修平君、孝徳君は3人机をくっつけ給食を食べていた。
私は友輝君の隣なのでその光景を盗み見ていた。
「河合さん!どっちの方が早かったか見てた?」
孝徳君が私に話かけて来た。
あのトイレでの一見があったからか名前を覚えてくれていた事に驚いた。
「えっと、ごめんちゃんと見てなかったから…わ、わからない」
「なんだよーちゃんと見といてくれよー絶対俺の方がコンマ数秒早かったのに」
修平君が残念そうにそう言った。
「ご、ごめんね」
「おいおい頼まれてもないのに河合がお前らの汚い食事を見てる訳ねえだろ」
まあ実はと言うと2人のあまりの早さに面食らって箸をすすめる事も忘れて見ていたのではあるが友輝君が私を庇ってくれたような気がして嬉しかった。
「じゃあ今回は引き分けだな」
「まあ仕方ないだろ」
そういうと2人は綺麗に食べ終えた給食を片しにいった。
気になってはいたが何故あの2人はあんなにも張り合っているのだろう。
仲はいいはずだし2人でいるところもよく見かける。にもかかわらず2人はお互いをライバル視しているように見えた。
何かきっかけがあったのか、じゃれあいの延長なのか真実はわからないが少し2人の関係に興味が湧いた。
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