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ある日の体育の授業、3人1組を作る事になった。 勿論私は誰にも声をかけれないでいる。 次々と3人組は作られていく中、とうとう余ったのは私と修平君と孝徳君だけになった。 「男女3人組になるがかまわないか?」 体育の先生が私に尋ねる。 勿論チームを作れなかった私に断る道理はない。相手が修平君と孝徳君なら尚更だ。 「はい」 「修平ー孝徳ー、河合とチームを組んでやってくれ」 いつもなら仲のいい友輝君と3人で組んでいるのに今日に限って何故2人だけなのかと友輝君を探すと友輝君は麻奈ちゃんとその友達の3人でチームを組んでいた。 修平君と孝徳君が私の方に近づいて来る。 「ごめんな、男2人で。友輝の野郎が麻奈と約束したとか言うからさ。俺たちも河合にお願いしたいところなのに先生が組んでやってくれとか上から目線な事言ったのも謝るよ」 孝徳君がそう言った。 「いや…私は全然」 「多分何かの測定か何かをすると思うから河合は俺達2人の対決の立ち合い人として是非よろしく頼む!」 修平君はそう言って頭を下げた。 私は気になりとうとう2人に質問した。 「な、なんで2人はそんなにいつも対決してるの?」 2人は顔を見合わせる。 すると「どうする」「別にいいんじゃね」と軽い相談をしたのち、打ち明けた。 「誰にも言うなよ?」 2人は柄にもなく神妙な面持ちになり声を揃えていった。 「俺達2人は麻奈の事が好きなんだよ」 そんな事を言われるとも思わず私は愕然とした。たしかに学年でも類を見ないほど麻奈ちゃんは可愛いし同級生の男子ならそれが当たり前なんだけどこれには驚いてしまった。 だってあんなにも仲良しの友達の事が好きだなんて。しかも2人揃って。 「いつ頃かは忘れたけど、それでどっちが麻奈に相応しいかって事で張り合うようになったんだよな」 「そうそう、まああの様子じゃ麻奈本人は多分友輝の事が好きなんだろうけどなあ」 2人が友輝君と麻奈ちゃんの方に目をやったので私もつられてその方向を見ると友輝君と麻奈ちゃんは楽しそうに笑いながら話していた。
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