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「まあ麻奈本人に気持ちを伝えた訳でもないし、俺達が勝手にやってる事だけど」
「まあどうせ、どっちが告白しても結果は見えてるけどな」
2人の対決にこんな思いがあったなんて私は予想だにしてなかった。
そりゃ2人ともあんなに必死になるわけだ。
ただじゃれあってるだけじゃない。こんなにも大切な思いを抱きながら日々対決してたなんてと私は感動すら覚え、2人を応援したくなった。
「が、頑張ってね」
「それはどっちに対してだよ」
「ふ、2人とも」
「それじゃ結局意味ないじゃん」
私の無責任な発言に2人は笑った。
そのあと体育の50メートル走は0.1秒差で孝徳君が勝っていた。
その放課後、修平君と孝徳君が私の席の前まで来た。
「これから暇?」
一緒に体育でチームを組んだとは言えまさか声をかけられるとは思わず私は面食らってしまった。
しかしすぐ冷静になると特に予定はない事を伝えた。
「じゃあさ、ちょっと付き合ってくれよ。麻奈は女と遊ぶらしいし他のみんなも塾とか用事で今日は忙しいみたいでよ」
これはまさか遊びのお誘いなのだろうか。
私は産まれて初めて同級生から遊びに誘われた事にまた驚いた、しかしその驚きは瞬く間に喜びにかわり私は柄にもなく大きな声で「いいよ」と返事をした。
初めて同級生と遊ぶ放課後。
相手は意外にも男子2人であるがそんな事は関係ない。
なんならこの2人のような男の子ならこちらからお願いしたいくらいだ。
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