6

6/8
前へ
/64ページ
次へ
「おい、お前その顔どうなってんだ?」 中学生の1人が私に話しかけてきた。 そんな言葉を初対面でかけられる事にはもう馴れていたが、中学生の話しかけられると言う事に、また別の恐怖心が湧き上がり私は口をつぐみたじろいでいた。 「質問してんだから答えろよ!」 最初に声をかけてきた中学生が強めの口調で私に言い放つ。 もう1人の中学生はニヤニヤした様子で私を見ていた。 怖くて怖くて声が出せないほどであったがここで返事をしなければどんな目に会うかわからない。 冷静に考えればいきなり小学生女子にそれほど無茶な事はしないと思えるものだけど、これまでいじめられてきた経験から私は最悪の想像しかできない思考回路になっていた。 「や、やけどで…」 震える声でそう言ったものの緊張と恐怖で閉まりに閉まった喉から出た声は到底相手に聞こえる声量ではなかった。たなき2@ 「なんだって?!ちゃんと聞こえるように言わねえと聞こえ…」 とその中学生が詰め寄って来た時 「俺の友達を威圧してんじゃねえ!」 と修平君が中学生のお腹にタックルをして掴みかかった。 「なんだ!この小坊!」 お腹に掴みかかりがら空きの修平君の背中に中学生は拳を落とした。 それでも中学生を掴む事はやめず全身を使って中学生ごと前に進もうとする。 後ろにいた中学生が助けに行こうとした時、孝徳君がその前に立った。 「小学生と喧嘩したって何の自慢にもならねえぞ」 相手の中学生よりも背丈は孝徳君の方が高く到底小学生には見えなかった。 孝徳君が握った拳を撫でる仕草をしながら睨みつけるとヘラヘラしていた中学生の表情は若干怯えた顔色に変わり助けに行く事をやめた。 修平君の背中に拳の雨が何度も振り下ろされる、その時前身を続けていた修平君が両足で跳ねる様に地面を蹴ると耐性を崩した中学生は背中から地面に倒れた。 中学生に馬乗りになった修平君は孝徳君とは違い、その中学生よりも随分身長が低かったけど明らかに優勢に立っていた。 「どけ!この野郎!」 中学生はどう見ても力が入ってない拳を仰向けの耐性で修平君に向けるがそれを両手で掴み体重をかけて押さえ込むと修平君は天井を見上げるように上を向いた。 「これは俺の友達を怒鳴った罰だ」 その台詞の後、馬乗りになり顔を上げていた修平の前額部が中学生の顔面目掛けて勢いよく振り下ろされた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加