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「え…」 まさか病院で同じ学校の男の子に声をかけられるとは思わず私はひきつった顔で男の子を見つめてしまった。 楽しかった気分が一変して戦慄してしまう。 「やっぱり、その顔、お前有名人だから良く知ってるよ」 きっとここでの有名人はいい意味ではないだろう。 「お前もお見舞い?それともその顔の治しにきたのか?」 男の子はハハハと笑いながら聞いて来た。 最悪だ。さっきまでの幸せな時間が台無し。まさか病院でも学校の子に馬鹿にされるなんて。この事が明日学校で広まれば病院に通ってる事がみんなに違う意味で受け取られてしまう。 もしかすると病院にまで押しかけて来て意地悪をされるかもしれない。お母さんまで馬鹿にされるかもしれない。 そんな事を思うとまた目頭が熱くなってきた。 でも今は涙だけは流しちゃダメだ。 「い、言わないで」 「は?何を?」 「私が病院にいた事…学校の子たちには言わないで」 すると男の子はきょとんとした顔を浮かべ不思議そうに私を見つめた。 「別に言われたくないなら言わないけど、なんで?」 「お、お願いだから」 「わかった。わかったって」 男の子はまだ何か言いたそうではあったがエレベーターが着くと私はすぐさま飛び乗り、お母さんが待つ病室に向かった。
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