1 光夜side.

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1 光夜side.

 俺は新規プロジェクトのエンジニアリーダーでスーパーエンジニア(自称)だと思っていた。  この間まではーー。  中途採用された三十代半ばの女性、時精妖(とききよあや)がチームメンバーとしてアサインされた。  俺が完璧だと思って実装していたコードに対して、彼女はレビューでたくさんの指摘をした。と当時にコードを入れ替える提案をしてきた。 「スケジュール的にそんな作り直している時間はない!」と俺は怒鳴ってやったが、彼女は微笑みながら「一時間で出来ますよ」というので「やってみろ」といったら完璧なものをつくってきた。  俺が一週間をかけてつくりあげたコードが一瞬にして書き換えられ、しかも見た目も整った完璧なコードになっていた。  そして、その次の日。  エンジニアの全体ミーティングがあると集められた。  部長から発表があり、新規プロジェクトのエンジニアリーダーとして時精妖が選ばれた。  彼女はヘッドハンティングをされたらしく、会社から非常に期待をされているようだった。  おかげで俺は新規プロジェクトから外され、お客様窓口へと配属されることとなった。  彼女が来たせいで俺のポジションは奪われてしまった。  プライドがズタズタになった。  俺はそれから会社に行かなくなったーー。
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