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「実は、オレも……」
キャップを外し、前髪を上げて、第三の眼を見せると、彼女がゲラゲラと笑い出した。
「マジで? やばくなーい?」
「いやいや、オマエこそ。やばいだろ?」
「前髪で隠せばいいんじゃね?」
「いや、でもさ。これから大学受験とか、就職試験とかどうするの? それに恋人ができたら、もう隠せないっしょ?」
自転車に跨ったまま会話が続いていたが、彼女が突然、自転車を漕ぎ始めた。慌ててオレも、ペダルを踏んだ。マンションから川沿いの道をふたり、学校を目指した。
「じゃーさ。私たち、付き合っちゃえばいいじゃん?」
「え?」
「三つ目同士、仲良くしよう? よろしく」
「え!」
ある朝、突然爆誕した第三の眼のおかげで、ずっと片想いをしていた幼なじみが、彼女になってくれた。それなら一生、三つ目でもいいや。
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