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親愛なるマーラ・クリンシーへ
あなたがマルハイン城を出て、キンブリーへと帰ると先生から聞いたわ。あなたは私に心配をかけないようにと、一切打ち明けないつもりだったようね。だけど、おあいにく様。かつて私たち──それは、アルテミシア魔女学校の同級生皆を指すのだけど──を指導してくれたカスバート先生が、私に何も告げないなんてことがあるかしら。先生も心配して、私に打ち明けてくれたの。それになんといったって、私はトリシア・オルトゥールよ。カスバート先生の言葉ではないけど、これでも諦めが悪く、しつこい性格なの。あなたのおかしな噂を聞いた私が、誰からも聞き出さないと本気で思ったの? もしそうだとしたら、私もまだまだ見くびられたものね。良い、マーラ。あなたのしたことは決して間違ってないと思うわ。それで非難を浴びるというのなら、それはマルハイン城の人たちが間違っているのよ。かつてカスバート先生は仰ったわ。魔術は善きことのために──と。それが魔術師であり魔女である私たちの本分よ。あなたは良いことをしたの。私はあなたを誇りに思うわ。そして今こそあなたの力になりたいとも思うの。私もそろそろ見習いの仕事に飽き飽きしてきたところ。一度あなたのいるキンブリーまで行って、のんびり過ごしてみるのも悪くないわ。というわけで、すぐにそちらへ向かうので、よろしくね。出迎えは結構よ。またあなたに会えるのを、楽しみにしてるわ。
トリシア・オルトゥール
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