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空前絶後の台北VIP旅行-①
これは。高層ビル火災の画像ではありません。
看護師さんが言った『例の海外旅行』の1シーンで、正月に台北のランドマーク101ビルで催される花火の様子です。
「以前、お母さん(M)が話してくれて。花火が空の上で破裂するんじゃなくて、目の前で破裂するんだって・・・・正直、どういうことか意味分からないままなんだけど、凄く嬉しそうな顔して・・・・」
Mが泊まったスイートルームは4LD(入った瞬間に驚いて倒れそうになった)で、そのうちの一部屋は壁が全部ガラス張りで手が届きそうな距離で花火が破裂する。
二十年前・・・・
台北VIP旅行を計画する上で絶対に外せない条件があって、それは「臨終のときにきっと思い出して幸せな気分になれるような強烈に印象深いシーンを実現する」ことだった。
Tは台北での仕事を無理やり作って、約2カ月、現地でリサーチを続けた(仕事そっちのけで)。その結果、探り当てた激アツイベントの一つがマリオット台北の最上スイートから観る正月の荘厳な花火だった。
振り返ってみると・・・・
「幾ら最高のシーンだと言っても、5分余りの花火を最も近くから観るために中古車買えるくらいの金を使うって、どうなの?」などと考える理性は既に無かった。
Tは長年の親不孝を猛省し過ぎて、あのとき『親孝行の権化』(妖怪?)となっていたのだ。
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