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我が家に来る銀行員
「利息のつかない現金を貯金されているだけでは危ないとお思いになりませんか?」
この銀行員の煽る様なトークは本当に嫌いだった。
しかし、現在この男の話を聞く以外にこのストレス社会を生き抜く方法が無いとも思っている。
私の家は自営業をやっていた事もあって、銀行員がしばしば家まで営業に来ていた。
融資を打ち切られた事で店を畳むしかなかった我が家だったが、担当銀行員はその責任を重く感じ、未だに謝罪の為うちに通う。
そんなある日、大学を卒業して地元就職をした私は、両親の留守中に来た彼の相手をする事になった。
融資を打ち切った彼等のせいでこんなギリギリの生活をしていると思うと、幾ら謝罪されたところで銀行員を好きになどなれるはずがない。
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