恋愛のススメ

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「結局高校も三年連続、俺、花火見るの真理亜と一緒なんだけど、どーしてくれんのっ?」   「知らないよっ、そんなのっ」  春馬がモテるのは知ってる。  でも私はモテるなんて認めたくない。だって私は春馬にドキドキの一つもしたことないから。   「真理亜がひとりぼっちで花火行くの可哀想だから、他の誘い断ってんだけど?」     「可哀想?本当、春馬は、デリカシーないよね」  肘でツンと痛くない程度に突いてやる。 イテテと大袈裟にしながら、春馬がボソリとつぶやいた。 「ま、来年も真理亜に相手居なくて、俺も予定なければ付き合ってやるよ」  そっか。高校最後の花火大会だ。  来年から春馬は美容専門学校に通う。私は一緒には行けない。来年から、春馬は私の隣には居ないんだ。  毎年見に来た花火も、春馬と見るのは最後かもしれないと思うと、何だろう、何故だか、春馬が遠くなっていくのを感じて、胸がちくんとした。   「来年の花火こそ、とびきりカッコいい彼氏と行くんだから」  ちくんとした胸を誤魔化すように、にんまり笑った私に、春馬は愛想なく、はいはい、とだけ答えた。
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