恋愛のススメ

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「あのな、真理亜は真理亜だろ。長くていいじゃん。俺は」 「変わるかもしれないじゃん」  来年からは別々だ。春馬だって変わってく。  私だけが変われない。私だけが変わらないのは嫌だった。  春馬の声を遮って吐き出した言葉と一緒に、あっという間に涙も転がってく。春馬がほんの少し困った顔をした。 「だから……真理亜はそのままでいいんだよ。何がダメなんだよ?」 「だって私、このままじゃ何も変わらないから。せめて見た目位変えたいよ……夢もないし、恋だって全然うまくいかないし……春馬とは違うもん」   「……だからって」    呆れたように春馬が両手を腰に当てた。 「泣くなよ」  春馬は、棚から石鹸の匂いのするタオルを取り出すと、私の膝にそっと置いた。私は手に取って涙と一緒に鼻水も拭いた。  いつまでも泣いていられそうだったけど、私は泣くのを止めて深呼吸した。今日切らないと、決心が揺らぎそうだったから。
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