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「イタコのお嬢さん、我々のために尽力してくださってありがとうございました」
愛を確かめ合った後、静月はライトに向き直る。
「いえいえっ、そんなっ!」
「私はこの世とあの世の狭間で贖罪を続けます。小町にまた会えるように」
「静月、でもきっと私は地獄行きだ」
「あのっ、確かに小町も静月さんも悪いことはしたかもしれないけど、誰かを殺したわけじゃないし、取り返しのつかないことをしたわけじゃない。ちゃんと禊をすませば二人とも天国で会えるよ」
ライトは慌ててフォローする。祖母とは喧嘩中だが、祖母は凄腕のイタコであるので、彼女が嘘を言うわけがないとライトも信じている。
「そうか……では、いつかまた」
静月はそういうと光の粒になって消えていった。
「小町……追いかけなくていいの?」
「私はこの世で禊を済ませるさ。イタコを放っておけないからな。それに、私と静月では罪の種類も重みも違うから同時に天国に行けるわけでもないだろう」
小町は達観した様子であるが、やはりライトは友達として心配に思う。
「あのさ、小町、ここって厄除け神社としても有名だけど、縁結びの神社としても有名らしいよ」
「ああ、知っているよ。何せこの辺りの生まれだからね」
「だから、ここで結ばれた静月さんとは絶対また会えるよ」
ライトは小町を励ました。小町の目が輝きを増した。
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