夕子と文豪

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 昼休み、ライトはいつものように校舎の裏でひっそりとお弁当を食べる。小町とたくさん話したいことがある今日ばかりは、一緒に食べる友人がいない方がむしろ都合がいい。小町も人間の食べ物を食べることはできるようで、ライトからおかずを少しもらっていた。 「なかなか美味いじゃないか。お前の祖母は憎いが食べ物に罪はないからな。それにしても見習いイタコは誰かと一緒に食べたりしないのか?」 「友達いないもん。入学式の時に、うまく人と話せなくて、それからずっとぼっち。嫌なこと言ってくる男子に言い返してたら、最近は優しい子も腫れ物に触るような感じになっちゃって、1日誰とも話さないことも多いよ」 「だいぶ理不尽な話だな。やはりいつの時代も男というものは女を虐げるものなのか」 「小町も男の子にいじめられたの?生きてた時」 「まあ、そんなところだ……なんだ?私がなぜこの世に未練を残しているのか探ってるのか?」 「違うよ。あたしはイタコになるわけじゃないから。おばあちゃんのスパイをする気はないよ。ただ、昔から人付き合いが下手だから何を話したらいいか分からなくて」 「私もさ。読み物が好きなだけの内気な女だった。平安文学が特に好きだった。そういったものが好きな近所の仲間はいたが文学以外の話はあまりしなかったな」 「好きなものの話できるって幸せだね」 「そうだな。まあ、学校にも連れてきてくれたことだしお前の好きなものに終わったらいくらでも付き合うぞ」  ライトは小町の言葉に胸を躍らせた。
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