Secret STYLE

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「すみません。ご馳走になっちゃって……」 店から出ると、私はそう云って守さんに頭を下げた。 雰囲気を悪くしたお詫びだと、守さんが支払いをしてくれたのだ。 守さんは何も悪くないのに…… ただ、カードで支払いをする守さんもスマートで……イケメンは何をしても様になるんだな、なんて独りで納得していた。 そして納得いかないことが1つ……それは、あれから握られたままの手。 支払いをする時も、そして店を出る時も店を出た今も…… 決して離してほしいわけじゃないんだけど……だけど、守さんが一体どういうつもりでこの手を握っているのか分からず、私は困惑するしかなかった。 ぶっちゃけ……現実的な事を云うと、緊張のせいで手汗がひどいと思うから、その点では手を離したかった…… だけど、そんな私の思いとは裏腹に、守さんは更にギュッと手を握って歩き出す。 「話がしたい」……とだけ云われたまま、どこに行くのか分からず私は守さんに連れられるままになっていた。 終電間近になった街は人並みもまばらで、最悪終電を逃したらタクシーで帰ればいいか……なんて呑気に考えていた私は、突然グイッと守さんに手を引かれて細い路地に引き込まれる。 「ッ!?」 そしてそのまま勢いで壁に背と繋いでいた手を押し付けられると、守さんは空いていた片手で私の頬を固定するや唇が重なった。 一瞬の出来事に、何が起こっているのか……私の脳内はフルスロットルで思考を巡らせ始める。 だけど、この状況を理解する判断力なんて今の私にはあるわけもなく……
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