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森への一本道
森への一本道は月に照らされて、白く光っておりました。
なだらかな坂道を小さな影が滑るように駆けてゆきます。
森の入口にたどり着いたのは野ネズミのぼうや。
落ち着かない様子で鼻をヒクヒクさせるたび、銀色のおひげが月の光をチカチカと反射させます。
「ホウ、ホウ、いらっしゃい。なんともかわいいお客様だ」
どこからともなく聞こえる声に、野ネズミぼうやは目の前の大きなネムノキを見上げました。
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