半妖姫と冥界の玉座

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 しかし、鈴音はこんな姿になれるだけでもびっくりなのに、他にも力があるのかと驚きを隠せない。 「そりゃあそうさ。鈴音は半妖だからね。人間の駆使する術と組み合わせることで、相当な数の術が使えるよ」 「へえ」  鈴音は自分のことなのに凄すぎるでしょと呆れてしまう。 「おい、変化できるのは解ったから、そろそろ人間に戻ってくれ。次は鬼討伐について考えなきゃならん」  健星ははいはいと、その場をまとめるように手を叩く。やはり仕切るのはこの男の仕事らしい。 「よっ」  鈴音は元の自分の姿を思い浮かべて変化。ぽんっと自分の姿に戻った。 「自分で変化する場合は服が破れないのよね」  そしてもう一つ発見。今までは勝手に変化し、服はビリビリに破れたとユキから聞いていたが、自分でやるともともと着ていた服の姿に戻れる。今日は学校が終わってすぐに着たから制服のままだった。 「服も自らの身体の一部として変化するからだろうな」 「そうだね。己の姿として組み込まれているものだから」
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