半妖姫と冥界の玉座

225/250
前へ
/250ページ
次へ
 そして天海がそう付け加え、一週間後、鬼たちが鈴音の即位に賛同しない場合は戦を仕掛けると決定した。 「総大将は鈴音様、軍師は私、天海が務めます。が、実際に軍を率いるのは兵部卿にお願いしますよ。それほど複雑な戦にはならないでしょうから、軍師は単なるお飾りですけれどもね」 「いえ、威光を示すためには必要でしょう。お願いします」  さらに軍師も天海が務めることが決まり、健星は任せますと頷いた。こうして、戦は一週間後と定まり、会議はお開きになった。それぞれが準備に向けて動き出し、清涼殿には鈴音と月読命、それに健星だけが残る。 「なんか、戦って手順が多いんだなって思った」  あれこれ決まった会議を見ていた鈴音の感想はこれだった。ドラマで戦国武将たちが会議しているシーンを見たことがあるが、実際にああやって全部を決めてから動くものなのかと感心してしまう。 「絡む権利が多くなれば多くなるほど手順が煩雑になるのは、戦だろうが商売だろうが政治だろうが関係ない。何をどうするか決まっていない戦はただのケンカだよ」  健星は当たり前だよとそっけない。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加