半妖姫と冥界の玉座

233/250
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/250ページ
 健星に仰々しくそう言われ、ああ、なるほどと鈴音も政子が特産品を持ってこいと言った理由に気づく。 「皆さん、長旅ご苦労様。今日はこれらの品を使って宴だ。存分に飲み食いせよ」  なんか武士っぽくなるのは政子の影響かな。そう思いつつも高らかに鈴音がそう告げると 「宴じゃあ」 「宴会じゃあ」 「酒じゃあ」  と早速大騒ぎになるのだった。  妖怪は宴会が大好きだった。 「凄いなあ」  献上品の総てを使っていいと許可は出したが、総てが綺麗な料理として出来上がったのにはビックリさせられる。さらにどこからともなく酒樽が運び込まれ、宴会芸を披露するという連中が現われ、管弦も必要だと音楽の準備も進められと、半日で凄い宴会が整えられれた。 「鈴音様、これで皆、王としてお慕い申し上げるでしょう」  そんな宴会会場と化す清涼殿を見て、右大臣の政子は鼻高々。おほほっと高笑い。 「そ、そうですね」 「はあ。普段は引っ込んでいるくせに、こういう手柄だけ、しっかりかっ攫っていくんだよな」
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!