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鈴音は初めて王の座の重さを実感していた。それと同時に、期待してくれてるんだから、やってやろうじゃないのと闘志が燃え上がる。そう思うと、勝手に言葉が零れていた。
「まだまだ新米で、妖怪のみんなのことで知らないことも多いですが、私はここをみんなにとっていい場所にしたい。みんな、ここを住みやすい場所に出来るよう、協力してください」
鈴音の言葉に、妖怪たちは戸惑ったように顔を見合わせる。
「だって、この冥界は妖怪が住むための場所でしょ?」
そんな妖怪たちに、鈴音は違うかなと訊ねる。すると、そう言えばそうだったと妖怪たちはかくかくと頷いた。
「今までは主上任せ、ここにいる官僚たち任せだったと思う。でも、それじゃあ不満が出やすいと思うの。こうやってみんなが自分の土地の自慢の品を持って集まれるくらいだもの。どうか、私と一緒に冥界を作りましょ」
鈴音の言葉に、おおっとどよめきが起こった。それと同時に、月読命が大きく拍手を送った。それに続いて、その場にいた誰もが拍手を始める。鈴音は急に恥ずかしくなると
「それでは、乾杯」
と無理に乾杯へと持ち込んだ。
「乾杯」
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