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「まだ、これが真実ではないよ赤津くん。何故、彼らがこんなことをしたのか。そこが残っているじゃないか」
「僕を揶揄うためだろ」
「違うよ。早とちりしちゃいけない。あくまでも彼らの行動は、人を揶揄するようなものじゃない。これは、保身だったんだ」
「保身?」
「本当に、極めて繊細な、石橋を杖で叩くようなものだけれどね。赤津くん、藍川さんは須藤さんが矢面に立たされているのをみて、嫌悪感を露わにしていたんだろう?」
「ああ」
「そのあとで、君は若年結婚についてネガティブな意見を忌憚なく述べた。これも間違いないわけだ」
「そうだな」
「君はテストでオール百点を取り続ける藍川さんを、君は百パーセントの女と揶揄していたね。赤津くんは当時中学生とはいえ百点を逃さない彼女を天才と称していたけど、実際には、彼女は天才なんかじゃなかったんだ。彼女はただの完璧主義の努力家だったのさ。完璧主義者である彼女は、一パーセントでもその完璧を阻害する要素を許さない。ーー何においてもね」
「何が言いたいんだ、御此木」
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