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1パーセントのテレポーテーション
「壁に大胆に描かれたボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』、気取らずとも華やかな店内の雰囲気、テーブルの上に並ぶのはエスカルゴ・ドリア・アラビアータ・・・・・・そしてドリア。やはり最高のイタリアンレストランだとは思わないか? 赤津君」
「いや、ここサ○ゼリアだからな?」
決してサ○ゼリアを侮辱する訳ではないが、結局の所サイゼリアはどう足掻いてもサ○ゼリアなのだ。ボッティチェリはちゃちなプリントだし、雰囲気は姦しい女子高生達でちょっとした竹下通り状態だし、チーズには小麦粉が混じっている。
時刻は正午丁度。今日は訳あって、僕の対面にてサ○ゼリアを瀟酒に語る男ーー御此木の奢りでイタリアンを食えるというので期待に胸を膨らませていた。が、結局この有様である。
「悪い悪い、最近かなり金欠なんでね。仕方がなかったんだ」
「サ○ゼならあらかじめそうと告知してくれよ。もっとこうーーお洒落なレストランに連れてかれるのでは? とか期待しちゃうだろ」
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