1パーセントのテレポーテーション

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 僕は霧崎と酒を酌み交わしつつ、須藤さんとその周辺が大炎上している光景を悠々と眺めていた。  そうして数多の質問や茶化しが跋扈(ばっこ)する中、一つ、聞きづてならない文句が僅かに耳に入る。 「ねえ、もしかして、亜実ちゃんの相手ってここにきてる?」  周りも同じだったようで、瞬く間にザワつく。女子達の目が、男子達にも向けられる。  疑りの眼差しが交差し、いつの間にか須藤さんへの質問大会は、須藤さんのフィアンセ推理ゲームに変わっていた。  まあ、僕を除いてだが。  何故なら僕はその答えを知っているのだから。  ゆっくりと霧崎の方へ視線を向ける。  成る程、ふふーん、彼女だったのかとしたり顔をしてみせる。  が、それがいけなかった。余程僕の表情が気に入らなかったらしい。霧崎は、まるで「チクったら殺すぞ」とでも曰うように、かつてのようなジャックナイフの如き鋭さと危うさを宿した、羅刹の如き貌で僕を睨みつけてきた。  こ、怖ええええ!!!  僕は震え上がった。同時に、恐怖に負けたのか、単純にビールを飲みすぎたのか、膀胱も尿意に震撼している事に気がついた。  やはり霧崎は昔の霧崎のままだったのだ。逃げよう。
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