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そう苦言を呈すと、御此木はいつも通り張り付いた様な爽やかなニコニコフェイスを浮かべ、如何にも「オレは反省してるよ?」とばかりにご自慢の金髪をくしゃっと触り、遠いブリテンの血筋より授かった深緑の瞳でウィンクしてみせた。成る程、流石に心得ているようだ。並の女子、なんなら男子でもこの美青年の爽やかな謝罪を目の当たりにすれば、「まあいっか、イケメンが反省してるんだし」と迂闊にも許してしまうのだろう。
だが、十四年の知己である僕にそんなものは通用しない。僕は知っているーーお前が女の子とのデートでは決してサ○ゼリアではなく、ちょっとお高めのイタリアンに入ることを。許さん。リア充爆発するべし。
湧き上がる義憤を如何にして食欲に変換し、この不倶戴天の男の財布を圧迫してやろうかと智略を巡らせていると、
「そういえば話は変わるけど、同窓会はどうだったんだい?」御此木が切り出した。
「ああ、お前がすっぽかしたせいで散々だったよ」
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