1パーセントのテレポーテーション

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 意外である。品行方正な彼女が煙草なんて。 「悪い友達に唆されてね」  藍川は苦笑いして、紫煙(しえん)を優しく吹き出す。  悪い友達か。たしかに藍川だってもう大学生だ。酒や煙草を呑んでも法律的には問題ないし、そういうものを嗜むことだってあるだろう。  勝手に納得してる間に、沈黙が訪れる。まずい、何か話題を見つけなくては。 「御此木くんは元気にしてる?」  彼女の方から切り出してくれた。が、あまり嬉しい話題ではない。 「まあ、うん、あいつは元気だよ。元気に陽気にニート紛いのことをやっているよ」 「あら、御此木くんニートなの?」 「ああ」  即答する。僕の間髪入れない即答ぶりに藍川も苦笑する。御此木が働いてもいないし、就学もしていないのは事実なので間違った事は言っていない。もっとも、この事実を御此木に突きつけると、「オレは確かに働いてないし勉強もしないけど、職業訓練は受けているよ」と意味不明な反論をするので奴の前では話題にしない事にしている。
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