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「御此木、お前の推理聞かせてくれよ」
「勿論構わないよ。だけどーー」
「だけど?」
「君のハートが少々チクリと痛むかもしれない」
「どういうことだ」
「うーむ、難しいな。それを説明してしまうと、これまた謎の解明になってしまう。そうすると・・・・・・」
「僕が傷つくと?」
「そういうことさ」
馬鹿馬鹿しい。そんな配慮など無用だ。地獄はとうの昔に乗り越えた僕だ。今更その程度の痛み、猫にパンチされたも同然さ。
「気にするな。さっさと答えを聞かせてくれ」
「いいね赤津くん。君ならそう言うと思っていたよ。じゃあ早速始めようか。まずは重要な質問からだ。君は、霧崎くんのフィアンセは誰だと思う?」
何を言っているんだコイツは。人の話を聞いていなかったのか?
「そりゃあ須藤亜実さんだろう。さっき話した通りな」
「それは違うと思うね」
毅然として、御此木は断言する。
「いやいや、だってあの時、須藤さんが結婚バレした時、霧崎の奴凄い形相で睨んできたぜ? それに帰り際、新宿駅で須藤さんの事を聞いた時、あいつは自分のフィアンセが彼女だってほぼ認めるような発言をしていた」
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