1パーセントのテレポーテーション

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 純粋な疑問が残る。どうやって、何故、いずれにせよ難解だが、何故という後者の部分が僕にとっては理解しがたいように思えた。 「何故、よりもまずどうやっての方からオレの結論を言わせてもらおうかな」 「頼むよ」  好きにしてくれ、もはやお前のなすがままだ。 「結局の所、今回のテレポートがテレポートたるのは、君達が乗車していた電車が快速急行で、代々木上原で降りた藍川さんが、その下車した電車に追いつくには、他でもないその快速急行以外ではなし得ないという矛盾からきていたよね」 「そうだが・・・・・・」 「ならばこう考えてはどうかな。藍川さんは、代々木上原で快速急行を降りていなかった。これなら辻褄が合う」 「いやいやちょっと待てよ。流石にそれは無茶苦茶じゃないか?」 「それが意外とそうでもない。藍川さんは電車を、君と霧崎くんが乗っている車両を降りて、別の二、三両離れた車両に乗ったんだ。これなら君に勘付かれることなく登戸へと辿り着くことが出来る」 「待てよ、僕は藍川に別れの挨拶をして見送りをーー」
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