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「今回はその一パーセントが君だったという話さ。霧崎くんとの結婚生活を百パーセント完璧なものにするために、君にその関係を知られるわけにはいかなかったんだ」
「そこがだ、そこが納得いかないんだよ。僕が他の奴らみたいに誰かに言いふらすとでも？」
「あくまでも可能性の話さ。藍川さんは君が告げ口をする可能性が“ゼロ”じゃないって判断しただけってことだよ」
「要は、僕は信頼されなかったってことか」
「悪い言い方をすれば、そうなるね」
あの時、好きな人がいれば、本当に愛している人がいれば、結婚したいと思うことは当然だと言った藍川に僕はなんて吐き捨てた？
結局、藍川にとって僕は、須藤さんを囲んでた低俗な連中と彼女の中では何も違わなかったのだ。
やっと苦難の末に掴んだ結婚生活を、食い物にする無精の輩は当然信頼に値しない。そして、その要素を少しでも持つ奴も。
完璧主義の藍川は、それ故に切り捨てた。一パーセントの可能性をーー。
自分の記憶と御此木の推理をもう一度咀嚼する。そして、大きくため息をついた。
「納得いったかな赤津くん」
「まあ、大体な。お前の勝ちだ御此木」
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