1パーセントのテレポーテーション

　大方御此木の推理に筋が通ってしまったことは悔しい。だが、もはやここまで完璧にテレポートにまつわる謎を明解にされてしまったら、反論する気も湧いてこない。

　ーーああそうか、そうだよな。

　スマホをポケットから出し、ラインを開く。同級生達のグループのトークルームは、一週間前ほどーー須藤さんのフィアンセ探しをやっていた時ほどの賑やかさは当然ない。

　けれどあの時、霧崎と藍川もこの同級生達の低俗なやり取りを見ていたに違いない。

　そして、テレポートを決意したのだろう。

「正直ね赤津くん。藍川さんはやりすぎだと思うよ。いくら同級生とはいえ今では殆ど関わりのない他人だしね。ここまでする必要はなかったはずなんだ」

「下手なフォローは虚しさが増すだけだぞ御此木」

「まあ最後まで聞いてくれよ。となると藍川さんは何を恐れてこんなことをしたのか。それは多分だけど、噂の拡散だったと思うんだよ」

「噂？」

「そう、彼らの結婚が噂となって誰かの耳に届くことを恐れたんだ」

「まさか」

　いや、流石にそれはないとは思うが･･････。