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「これが、そのDVDなの?」
ユウジは、モトヤが差し出したDVDケースを見ながら訊いた。
「そうさ。ほら、オモテ面に僕の名前がデカデカと出てるだろう」
確かに、その白いDVDケースの面には
『XXモトヤの人生』
と筆文字の書体でデカデカと明記してあった。
「へー‥‥。こんなDVDが、本当にあるとはね‥‥」
ユウジは、そのDVDケースのウラ面も見てみた。
いくつかのセミア色の写真と、それなりの解説も入っている、ちゃんとした製品に思える物だった。
そこは、モトヤが入院しているK病院の地下の、『きざし』というカフェで、二人はコーヒーを前にしていた。
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