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闘病
2005年。わたしは9歳になった。
相変わらず幸せな毎日を過ごしていた。
だが母親の体調が悪い日が多くなっていった。
ある日母に「ねぇ胸触ってみて?硬い?」
と尋ねられた。
小学生だった私は素直に「うん!なんか硬い!おっぱいの中コリコリしてるよ」
と答えてしまった。
母は笑いながら「そうだよね~」
なんて言っていたが今思うととても怖かったと思う。
それから何日間か経った頃父に私と兄が呼ばれた。
「いいか?お母ちゃんは病気になった。乳癌と
いうおっぱいの病気だ。薬と点滴とで具合
悪い日がすごくあるから手伝ってやれ」
と泣きながら言われた。何を言ってるかよくわからなかったけど具合が悪いから手伝ってやれというのは私には伝わった。兄はお母さんが大好きだった。泣いていた。何で泣いていたのかもあまりわからなかった。
それから母親の闘病生活が始まっていった。
わたしたちが小さかったため入院はずっと避けていた母。今考えると本当に申し訳ない。
母が病気で通院して頑張っている中
父が帰ってこない日が続いた。
母の精神はどんどん崩れていった。
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