宝石笑顔

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こないだ、大量の写真を整理していたら、とてつもなく目を引く写真が出てきた。11歳年が離れている妹の、①~④歳頃の写真たちだ。ついつい目を細めて見てしまった。兄バカかもしれないが、やっぱり可愛くて。。年が離れすぎているせいか、妹というより娘感覚。きっと、高校とか大学とかに進学するなんて時は、学費も出さなきゃいけないんだろうな~、、と、ふと思ってしまう。 そーいえばこんなことがあった。あれは、妹が二歳くらいの頃。 ある朝、居間でメソメソと泣き声が聞こえる。時計を見れば、まだ6時半。年の瀬迫る年末。部活も休みに入っていたから、もう少し寝ていたかった。けれど、一向に泣き声はおさまらない。痺れを切らして行ってみると、妹がコタツに埋もれて泣いていた。そして、俺の姿を見ると、『といち~』←(妹の俺に対する呼び方)と言って、顔をくしゃくしゃにしながらすり寄ってきた。抱っこをして、しばらくすると、すぅすぅと眠りに入った。 なんで泣いていたのか。最初は不思議に思ったが、その理由はすぐに分かった。一緒の部屋で寝ていた両親がいなかったから。その日は正月準備のため、両親は朝市へ出かけていた。きっと、目を覚まして2人がいないことにきづき、寂しくなって、泣いていたのだろう。そんな妹がとてもいじらしくて、かわいいと思えた。 今はだいぶ大きくなって、反抗もするし、口答えもするし、ベタベタと懐くこともなくなった。多くの親が感じるであろう。【こどもがかわいいと思えるのは、せいぜい3~4歳くらいまで。】まだ親になった経験もないのに、それが分かる俺。得なのか、損なのか。分からないけれど、幸せなWhichだと思う。 今、俺の携帯の待ち受けは、桜木花道の画像から、妹の写メへと変わった。それは、笑顔というよりは、少し不機嫌な顔だ。でも、それを見る俺の顔は、自然に笑顔になっている。不思議なことだ。どんな宝石よりも、価値ある眩しさがある気がする。 ふと、写真を見て思う。 俺の妹になってくれて、ありがとう。……と。
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