mirror to me

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もし、自分の性格をサザエさんのキャラに例えるなら、おそらくカツオだと思う。あの面倒くさがりで、いろいろとずる賢い方向へと物事を考えるあたり。似ている。でもって、外面はワカメだ。学校での評価は、昔から良かった。成績も良い方だったし、問題行動もあまりない。学校行事なども、率先してやっていた。 『自分』という存在を、意識せずにはいられない。それが、『人間』である。集団の中の自分を客観的に見て、自分は何者であるのか。それについて、特に中高生ともなれば、考えないはずがない。俺なんて、自分がクラスの男の中で何番目くらいの位置にいるか、本当に順位づけをしたことがある。【いくらなんでもあいつよりはイケてるだろう】と、授業も聞かずに思っていたものだ。実にくだらない。自分には自分の良さがあるから、そんなこと、気にしなくてもいい。そう思えるようになるまで、意外と時間はかかった。 自分の考えや生き方が、必ずしも万人に認められることなど皆無に等しい。でも、それが人として著しく逸脱してなければ、それは干渉されてはならない。なぜなら、それはその人の人権だからだ。生き方など、基本的にはその人の自由なのだ。ただ、『自分』という主体性を獲得するまでには、多くの試行錯誤が繰り返される。そして、常に周りと比較する『自分』がいて、他人の目を気にし、他人の影響を受けやすい。でも、それが自然なことである。他者の目があってこそ、『自分』というモノが出来上がっていくんだと思う。 幼稚園の時と、中学生の時と、社会人の時と。全身を鏡に映してみると、それぞれが全く違う自分になっている。当たり前である。成長しているからだ。でもデカくなっているのは、体だけではないはずだ。絶対に、時間が進むにつれて、心もデカくなっているはず。 それが、人間だからだ……
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