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わかったような顔をすれば、その場が丸く治まるなら、理解してなくても、相槌を打っていればよい。
寂しいくせに、でも、輪に加わりたくないなら、適当に理由をつけて、逃げればいい。
そんなひねくれ者でも、あまり嫌われることなく生きてこれる。ぶっちゃけ、心臓さえ動いていれば、生物学的にはOKなわけだし。
そうして、素直な心は消えていった………
この年になれば、自分の生い立ちを笑って話せる。恥じる気持ちもないし、逆にこれから関係をきづこうとしている人がいたら、ネタにもできる。でも、俺が明るく話すもんだから、大抵の人は同じような反応をする。【きっとその経験は、無駄にはならないよ】、と………。プラスの方向へと考えてくれる。
でも、そのたび拍子抜けするなにかが、自分の気持ちの中にある。本当に分かってもらえたのか、不安になる。そして、いつも最後に思う。
【俺のなにがわかったの?】
また、俺は集まりを拒否した。その本当の理由は、きっと、誰もが理解できない所にある。うわべのものならば、仲のいいやつは分かっているだろうけど、真意は誰にもゆってない。言いたくない。知っているとすれば、一人だけだ。でも、そいつはきっと、それに気づいてはいないだろう。
分かってほしいわけじゃない。適当に、知ってほしいだけなんだ。自分の全部をさらけだす事は俺にはできないから、この表面だけでも、十分味が出ているし。
でも、こんな根暗な自分が、かなり好きだったりします。
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