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第2話 出会い
朝、涼しい風を肩に感じて目を覚ました。
ここは──。
まだ窓の外は薄暗い。身体を反転させようとして、軋むようにそこかしこが痛んだ。喉も枯れている。
それで、昨晩の出来事を一気に思い起こす。
俺は──オレオルに…。
下腹部に鈍い痛みとだるさが残る。これが何を意味しているのか。
「目、覚めた?」
そっとその背中を冷たい指先が滑りおりる。
「…やめろ」
「今更だろ? もう、知らない仲じゃない」
笑ったオレオルは、ルークスの身体を無理やり反転させて、見下ろしてきた。
金糸が頬に落ちてくる。互いの髪が乱れ絡まっていた。紫の瞳が満足げに光る。
「やっと、手に入れた…」
「入れてなど…。お前にやったのはこの身体だけだ」
「それでいい。そのうち、心も手に入れる…」
キスが唇に落ちてくる。すぐに顔を背けるが、頬を掴まれ無理やり合わせられた。
「ッ…!」
息も継げなくなる。
キスが終わり、オレオルは濡れた唇を舐めながら、じっと見つめてきた。ルークスは睨み返すと。
「…これきりだ」
「は。ばか言わないでくれ。君とはこれからも任務が終わってからもずっと一緒だ。愛しているよ。ルークス…」
再び、深いキスが落とされる。
無理やり合わせられた唇からは、不快感しか得られ無かった。
どんなにそこに愛がこもっていようと、ルークスにとって、それは他人への囁きにしか聞こえなかった。
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