プロローグ

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今までに募ってきた細かな不満はあったが、辞めようとまでなるものではなかった。 ただ、その一言は私にとってとても理不尽で、何故怒られなきゃいけないのか理解しきれず、コミュ障で忍耐力もなく、背負うべきものも何もない私は、踏みとどまらせるものもなくその環境を捨ててきた。 残ったのは人と関わりたくない、苦しいという負の感情だけ。 子供の頃から人と関わることが苦しい、なるべく関わりたくない、出来ることなら大人になる前に死にたいと、希死念慮の強い子供だった。 その感情がなくなったことはないが、死ぬ勇気もない私は、死にたいと思いながら生きることしか出来ずにここまできた。 毎日常に死にたいと思っているわけではないにしろ、定期的に死にたい、事故に巻き込まれて死なないかなと不謹慎にも考えてしまう。 気分が沈んでいる時ほどそれは顕著であり、人と関わることに嫌気がさした状態で辞めた今、毎日死にたいと感じている。 両親の仕事を探せという圧を感じながらも、心が重たく暗い今、現実から目を背けるように季節の花を咲かせている庭を眺めていた。
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