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プロローグ
実家の縁側。広い庭。趣味で植えられた植物。
見慣れた、子供の頃から変わらない景色。
縁側から庭を眺めるのは、いつ振りだろうか。
毎日のように遊んでいた庭は、気づけば足を踏み入れることすらなくなっていた。
社会人になり、実家を出て一人暮らしを始めて早7年。
定期的に実家には訪れているものの、両親に近況報告をすれば、庭を見ることもなく帰るのが常だった。
そんな私が今、春先の昼下がりの太陽に照らされながら庭を眺めているのは、高校を卒業してから勤めていた会社を辞めて、一人暮らしをしていた家を引き払って帰ってきたからだった。
次の仕事を決めかねている私は、暇つぶしのように毎日庭を眺めていた。
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