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スライムは本来なら弱いモンスターではない。ゼリー状の身体は刃物が通用しないし、液体故にどんなところでも侵入が可能。体内に取り込んで溺れさせたり溶解させたりと、えぐい攻撃もできる。傷口から侵入して脳の血管を詰まらさせれば、ほとんどの生物は勝つのが難しい。だが実際にはスライムは雑魚モンスターだった。踏みつぶしただけで生命活動を停止する。これは某国民的RPGゲームによって雑魚として定着してしまったからだろう。そしてこの世界はファミコン黎明期にそんな某国民的RPGを模倣して作られた沢山のゲームの中の一つ、であるらしい。ファミコンももう40年前のゲームだから俺も詳しくは知らないけど。兎に角そんなわけでこの世界でもスライムは雑魚モンスターだった。
俺はいつものようにスライムを踏みつけると靴の底でぐりぐりと潰した。この世界のスライムはある一定の大きさになるまで引きちぎっていくと生命活動を停止する。靴の裏に付いたうん…おっと失礼、ガムを引きはがすようにスライムを靴の裏でぐりぐりしているとスライムは簡単に倒すことができた。
俺がこの世界に召喚されたのはもう半年くらい前の話になる。クラスメイト達と召喚され世界を救うように頼まれた。そして初期装備の銅の剣…ならぬファミコンソフトを渡された。曰く「最近はファミコンの世界と説明しても分かってもらえなくて困っています。でも大丈夫。実物があります。詳しくはそのソフトをプレイしてください! 」とのことだった。確かに確かに百聞は一見にしかず。なんと分かり易い。
自室に通されるとブラウン管テレビが備え付けられておりファミコンがおかれていた。俺と、他にも一緒にこの世界に召喚されてあクラスメイトが30人ばかりいたのだが、彼らは異世界に召喚されたその日は徹夜でファミコンをプレイする羽目になった。一応断っておくがこの世界は剣と魔法のファンタジー世界だ。ブラウン管テレビは著しく世界観を害しているが、とってつけたようなグルグル巻きのアンテナに申し訳ない程度に世界観を壊さないようにとの配慮が見うけられた。この緩さがファミコンの世界観なのかもしれない。でもやっぱり違うかもしれない。
スライムを踏みつぶして靴でぐりぐりしながら、俺は召喚された当時のことを思い出していた。あのころはよかった。まだクラスメイト達も冒険に手探りで優劣などなかった。助け合っていこうという気概に満ちていた。けれどすぐに強くなるやつとそうでもない奴との差ができて、強くなった奴はとっとと次の町に旅立っていった。何しろチュートリアルの町だけあって売ってる装備もしょぼく、町に残る理由などなかった。今や残っているのは俺だけだった。俺だってこんな町とっととおさらばしたかったのだが、処々の事情によりこの町から離れられないでいた。
「いやぁ助かるよマサノリくん。君がいると何故かモンスターがスライムしか出てこないからね」
採掘現場の現場監督のおっさんがそう言って報酬の入った茶色い封筒をくれた。採掘中にモンスターから守るのが今の俺の仕事だった。ゲームらしく言うならクエストといったところか。
報酬の金額は1日1万円だった。円である。さすが元はファミコン、せめてエーンとかゼニーとかそういう独自の単位を作ればよかったのに。まぁ、ファミコンでもそこまで遊び心がないゲームは稀であると、レトロゲーム好きの山岡くんは言っていたけれど。
「このお札に書かれている人物ですが、誰だかわかりますか? 」
「ん? ユキチだろう? お金の神様だ」
う~む、微妙にあっているような、間違っているような。ちなみに5千円に書かれているのは新渡戸稲造で千円に書かれているのは夏目漱石だ。なにしろファミコン時代のゲームだから。給料を茶封筒で渡してくるのもどことなく昭和テイストを思い起こさせる。
「今度15階層に金の採掘にいくことになっているんだが、また護衛に来てくれないか? 」
「15階層ですか。確かオークとかがでてくるところですよね? 」
「オークどころか、オークキングがでてくるよ。こんな辺境の冒険者では手にあまる。だがマサノリがいればスライムしか出てこなくなるんだろう? 」
「いや、それは…どうでしょう」
俺は言葉を濁した。敵が弱い敵しか出てこなくなる。それが俺の特殊能力だった。所謂スキルというやつだ。異世界に召喚されたクラスメイトは皆特殊なスキルを持っていて、俺のもっていたスキルがこれというわけだった。ただ勘違いしてはいけないのは敵が弱くなる能力であり、敵がスライムになる能力ではない。俺の能力で弱い敵しかでてこなくり、それが最大限に発揮された時がスライムになるだけで、いついかなる時でもスライムしか出てこなくなるわけではないのだ。どのくらい弱くなるかは俺のレベルに依存する。例えばこの8階層は本来ならボブゴブリンがでてくるはずだがレベル1の時の俺がここに来ればゴブリンしか出てこなくなる。今の俺のレベルは5なのでスキルが強化されてスライムしか出てこなくなっているという訳だ。
オークキングはオークの2段階上位のモンスターだ。オークの一段階上にオークナイトとか、オークソーサラーとかがいて、その上にオークキングがいる。おそらくレベル1の俺が行けばオークナイトとかがでてくるだろうが今の俺が行けばオーク当たりが出てくるんじゃないかと思う。あるいはオークより格下のゴブリンの上位種、本来ここに出てくるはずのボブゴブリンとかがでてくるかもしれない。どちらにしろレベル5の俺に太刀打ちできる相手ではない。俺は現場監督のおっさんに丁寧にお断りしてその場を去ることにした。
「報酬は1日10万になるんだがなぁ」
「10万ですか?」
と思ったけど金額に思わず後ろ髪がひかれた。
「なにせ発掘するのは金だからなぁ。純粋な価値ならこれの10倍でも安いくらいだ」
おっさんはそういうと発掘中の銀を指さした。
「なるほど…」
現場監督のおっさんからしたらオークキングがオークやボブゴブリンになるだけでも大助かりだろう。俺の他にそれなりに優秀な冒険者を雇えば比較的簡単に対処が可能となる。しかし俺的にはそれはあまり好ましい話ではなかった。悩んだすえに、やはり俺はお断りすることにした。ここはチュートリアルの町だからそんなに稼いでも使い道がないというのもあるし、何よりこの世界の人間はNPCだからというのが大きかった。
・・・
「今日でお前は首だ! 」
「そんな待ってくれ! 私には5歳になる弟妹がいるんだ! ここを首になったらこれからどうやって稼げばいいのか! どうか解雇にしないでくれ! なんでもするから! 」
「だったら体でも売るんだな! 」
ドッと酒場で笑い声が起きる。
こんな嫌な奴おらんやろ、というギャグが聞こえてきそうな風景だが残念ながらいるのがこの世界だった。だってみんなNPCだから。どこまでも頭が悪くなる。彼らは人間ではなくそういうキャラなのだ。だからどこまでも愚かで見苦しくなる。仮に俺がスキルで敵を弱体化させれることをばらせばどんな目にあうか分かったものではない。
この世界はゲームの世界だが、世界観を妙に現実に寄せている部分があった。その一つが敵を倒してもお金もアイテムもドロップしないという点だった。中にはモンスターの習性として光るものを集めていたり、人間でも使用可能なアイテムを所有している場合はある。だが、それは特定のモンスターに限った話だ。モンスターを倒してモンスターがお金やアイテムに化けるということはない。強いモンスターを倒したのにそういう習性をもっていなかったため、かえって金銭的には旨味が少ないということもままあるのだ。お金を稼ぐには仕事をこなさなくてはいけない。いわゆるクエストだ。
クエストには大きく3種類ある。特定モンスターの討伐、アイテムを探す、特定対象の護衛。相手を弱くするスキルを持つ俺は特定モンスターを倒すのには向かない。俺が行けば特定モンスターより弱いモンスターしか出てこなくなるからだ。アイテムを探す系はそれに向いたスキルがいることが多いからこれもNG。そうすると必然的に護衛系の仕事を受けることになる。俺が行けば敵が弱くなるためこの仕事が一番相性がいい。ただ注意すべきは護衛する対象を襲う敵が何なのかわかっていないと危険だということだ。確かに俺は出現する敵を弱くすることができるが、俺自身も弱いためその弱くなった敵にすら対処できない可能性が高い。だから相手の強さが分からない暗殺からの要人の護衛などは間違っても受けてはいけない。受けるのは採掘現場の護衛とか出てくるモンスターが分かり切っている依頼のみだ。そう、俺は弱かった。敵を弱くできる能力を持つ俺だが、敵が弱くなれば当然経験値も低くなりレベルが上がりにくくなる。これが俺がクラスメイト達に置いて行かれた理由だった。ゲームだと1番最初の町であるこの町の中ですら駆け出し冒険者レベルの強さしかない。ただ俺の場合敵を弱くして高ランクの依頼をうけることはできるので、実力のわりに金を持っていた。粗暴な冒険者の多いこのゲームでこんなことが知れ渡ったらいいカモになるのは明白だ。なるべく他の冒険者との協力するような仕事は避けなくてはならないのはそのためだった。
スライムだけを倒していてはレベルを2にあげるだけでも困難だったが、現在5レベルに達しているのはそれまでは仲間とパーティーを組んでいたからだ。彼らは一緒に現実の世界から召喚されたクラスメイトだった。クラスメイトの中では鑑定という能力を持っている者もいて、そのクラスメイトに俺のスキルのことも教えてもらった。そしてしばらく彼女たちとパーティを組むことになった。女の子たちばかりのパーティだった。女の子ばかりだったので敵が弱くなる代わりに経験値が入らないというデメリットも許容できたのだ。何しろモンスターとはいえこの世界では生きている。スライムならぶよぶよしたものをつぶすだけでいいが魔物や亜人を倒せば血が出るし内臓は噴き出すしでとてもグロかった。その頃は敵がスライムばかりになる俺の能力はかなりありがたがれたものだった。しかしレベルが上がるにつれて変化が訪れた。ステータスが上がるにつれそういうグロさにも耐性ができたみたいだった。レベルが上がるにつれみんな好戦的になっていった。特に戦士職の川原さんはそれが顕著で最後の方は結構きついことも言われた。そうして俺のレベルが5になったあたりで限界が来てお別れすることになったのだった。
考えてみればあれから俺のレベルは上がっていなかった。もっと真っ当なモンスターも倒してもうちょっとレベルを上げておいたほうがいいかもしれない。そうすればもっと上位のモンスターもスライムに変えられて安全にお金儲けができる。いや、お金儲けが目標ってわけでもないけれど、さっき言われた日給10万というのはかなり魅力的な話だったのでそんな考えが芽生えたのかもしれない。
俺はとぼとぼと酒場から去る、さきほどの冒険者を目で追った。俺のレベル上げについては前々から考えていたことがあった。それを実行に移すチャンスかもしれない。
「お困りみたいですね」
俺はしばらく考えた後、打ちひしがれた女に声をかけた。
女ははっきり言って不細工だった。おっさんと言われたらそのようにしか見えない。身体も全然凹凸がない。体を売れと言われて笑われていたのはそのせいかもしれない。
「お前は…」
女は俺を見つめて驚いたような顔をした。
それもそうだろう、俺はレベルに見合わない金を稼ぐことができたから装備だけは立派だ。この町の中ではだけど。女の目には俺が上級の冒険者にでも見えたのかもしれない。鑑定のスキルがなければ相手のステータスを勝手には見れないし、鑑定のスキルは低級の冒険者が持っているものではない。普通の人間がレベルを知りたかったら協会の神官にでも聞くのが一般的だった。
「あ、貴方様はもしや、チュートリアの守護者様? 」
「? 」
いきなり意味の分からない名称で呼ばれて戸惑う。
チュートリアとはこの町のことだ。チュートリアルの町だからチュートリア。安直だね。
「普通、異世界から召喚された勇者様たちはすぐにこの町を去ってしまうのに、いつまでもこの町を守ってくれる守護者様。そのおかげでこの町の採掘者の死亡率は大幅に減ったとか…」
女は信じられないという尊敬と羨望の眼差しで俺を見ている。
なんだそれは。いつの間にそんな話になってしまっているのだ。確かに、俺が採掘の護衛の依頼ばかり受けているせいで採掘の仕事はとてもはかどっているみたいだけれども。
あんまり有名になって悪目立ちするならやはりこの町から早く離れた方がいいだろう。そうなるためには俺ももうちょっと強くならないといけないけれど。
「先ほどの騒動を見ていました。いったい何があったのですか? 」
俺は気を取り直して彼女に聞いた。彼女の名前はサニアというらしい。なんとびっくりまだ15歳らしい。見かけはおっさんなのに。神様も罪づくりなことをするものだ。まぁこの世界の神様は挽回する機会もくれているから現実の神様よりは優しいかもしれないけれども。サニアはパーティを追い出されることになった理由を素直に話してくれた。といっても特に珍しいものではなかったが。
金が欲しくて冒険者になったがレベルが頭打ちになり解雇された。それだけの話だった。
このゲームのステータスには美しさの項目もありレベルが上がればそれも上がる。おかげで上位の冒険者はみんな美男美女だ。パーティを組んでた女の子達もレベルが上がるたびに美しくなっていった。戦いでは使えないサニアも、レベルがあがれば多少はましになるのではないかとの下心があって囲われていたみたいだ。でも結果は見ての通り。まぁ、ステータスの上がり形は個人差もあるし。だからあんなひどい仕打ちで追い出されてしまったらしい。
「何とか抱こうかと思ったが無理だった。お前を抱くならヤギに突っ込んだ方がましだと言われました」
「それはひどいセクハラだね」
俺は適当に相槌をうった。この世界の美しさはステータス依存なのでその気になればいくらでもドーピングできる。むしろ不細工なおかげで突っ込まれなくてよかったんじゃないかと思ったのだが、いくらなんでも失礼なので言うのはやめておいた。
俺が強くなるために一番手っ取り早い方法は強い冒険者と組むことだ。敵は強い冒険者に倒してもらって、俺はその見返りに難易度を低くしてクリアした依頼でお金を提供する。winwinの関係だ。ただ信頼できる相手でないと俺が弱いのがばれて弱みを握られてしまう。相手は慎重に選ばなくてはならない。その点彼女は最適に思えた。
この世界の住民はNPCだから、人格に厚みがない。良い奴は良い奴で悪い奴は悪い奴なのだ。現実の人間はもっと複雑だ。良いやつに見えて悪いやつだったり、逆だったり、良いやつとも悪いやつともいえなかったり。一度好意を抱いてもらえてもその好意が何時の間にか消えていることなんて珍しくもない。だけどこの世界の人間は一度好意を抱いたら余程のことがない限りずっと好意を抱いてくれる。サニアは病気の兄弟のために頑張る良い人間のキャラなので俺を裏切るようなことはしないだろう。問題があるとすればパーティを首になるくらいだから彼女が強いキャラとは思えないことだった。
この世界の人間たちにはランクが存在する。今のゲームで言うレアリティみたいなものだ。レアリティが低いと限界レベルが低くなるので強くなれない。彼女が首になったということは彼女も低ランクのキャラなのだろう。
彼女の話では彼女のレベルは10で頭打ちして一向に上がらなくなったとのことだった。思った通り彼女は低ランクしかも一番最低ランクのキャラみたいだった。今のゲーム風に言うところの星1つとかコモンとかそんな感じだろう。まあレベル10なら俺よりは強いけど。
「サニアさんの強さって実際どれくらいなのですか? 一体一でオークとかボブゴブリンに勝てますか? 」
「そんなのできるわけがない! せいぜいがゴブリンが精一杯だ! 」
「はぁ…ゴブリン」
予想以上に弱かった。そういや低ランクのレベル10より高ランクのレベル1の方が強いなんてよくあることだった。
ゴブリンは人間でいうと小学生くらいの強さがある。それが殺意を持って刃物で襲ってくるので危険は危険なのだが、こっちも刃物を持っているのだからそれくらいは俺でも勝てる。勝てはするが当然血飛沫が飛ぶ戦いになるので戦いたくはないけど。
「え~と、とりあえず装備を…いや、まずはランクアップか」
俺はサ二アを見ながら考えた、まず装備が貧弱だった。冒険者として最低限のものしかつけていない。ゴブリンと戦うのが精いっぱいというのもこの装備のせいかもしれなかった。RPGって装備でだいたい決まるところあるし。ただこのゲームは妙なところで現実に寄せているところがあるのでそう簡単にはいかないかもしれない。現実的に考えて切れ味が多少良い剣を手に入れたからといってそこまで決定的な差にはならない。鎧が豆腐のように切れる剣とか、剣が銃になるくらい劇的に変われば別だけど。
「ランクアップ? 」
「この世界だと、転職の儀っていうんだっけ? 」
「て…転職!? 私が!? むむむむ無理だ! 」
このゲームではレベルが20になると上級職への転職が可能になる。レベル10では無理なのだが、最底辺のキャラは例外だった。レベル10になるともうひとつ上のキャラにランクアップできる。ただし職業はランダムで固定。初期で職業固定は通常ランクのキャラと同じ扱いなのでランクアップして初めて普通のキャラと同じ性能になると言うわけだ。そして成長はこれで打ち止め。レベル20になっても転職はできない。さすが最底辺キャラ。ちなみに上級のキャラだと最初から複数の職についていたりする。
「強くなりたいんじゃないの? 」
「でもそんなお金とても…」
転職の儀には教会へのお布施が必要になる。必要金額は300万。
「でもサニアは転職の儀だけどランクアップの方だから30万ですむよ」
「30万も無理だ。私なんかが」
「でもこの町の平均収入って30万くらいだよね。稼いだ金を1年間全額貯金すればいけるよ」
中級の冒険者は日給1万の今日俺がやったみたいな仕事を4人パーティでこなす。1週間ぐらい仕事して1週間ぐらい遊んで金がなくなったらまた仕事する気ままなその日暮らしだ。1人2500円を1週間で17500円。1月に35000円。1年で42万。中級冒険者になれば平均年収以上は稼げるというわけだ。これが上級なら金の採掘の10万で10倍稼げるから420万。なんと日本人の平均年収と同じだ。いつものことながらこのゲームは妙なところで現実に合わせてくる。
ちなみに1年が365日なのも1年が12か月なのも1月が30日なのも1日が24時間なのも昭和のゲームのせいだ。つっこんではいけない。
「稼ぎを全額貯金するなんてできるはずないだろう? 」
「でも子供部屋おじさんなら…」
子供部屋おじさんとは家賃食費光熱費もろもろを親に払ってもらい自身は趣味に全力ぶっ放する選ばれし人々のことだ。いや、ちょっと違うかもしれないけど。
まぁこの世界は子供でも働いているのでそんな生活は貴族でもないと不可能か。
「まぁ30万くらいは俺が立て替えてもいいけどね」
「何故貴方がそこまで? 」
彼女はとんでもないと首をぶんぶんと振る。常識があって大変宜しい。やはり彼女を仲間に誘おうと決めた。
「勿論ただじゃないよ。ローンで払ってくれればいいからさ」
「ローン? 」
俺はサニアにローンの説明をしながらランクアップのため教会に向かうことにした。
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