プロローグ

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 でも、少し違った。  降ろしているのは、ここだった。  そう、この部屋。 「危ない!!」  ぼくは大きな男の子を窓際まで押し出した。  途端に、機械音は激しくなり、部屋自体の降下が本格的に始まった。  見る見るうちに、染みだらけの天井が空に浮かぶ雲のような高さになってきた。  グーン……。  グーン……。  と、エレベーターのような降下音と共にぼくの視界を暗闇が覆う。  地下へ。更に地下へと部屋が降りていく。  ぼくはそこで、気を失った……。
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