プロローグ

5/12

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
「ほんとよねー。あそこの家の人。とても良い人だったのに」 「まあ、仕方ないのよね。だって……」 「あら、そうかしら?」  ミ―ン。ミ―ン。ミ―ン……。  いくら耳をすませても、蝉の鳴き声。電柱の影の近所のおばさんの話し声。  それしか聞こえてこなかった。    もう少し待つか?  うーん。    おや?  ドアが開いてる。  玄関前のスペースには、木々やゴミ袋が埋めていたが、ドアはすんなりと開いた。   「よし、入っちゃおう。不法侵入にはならないだろう」  水漏れは、酷いと聞いているからすぐに見つかるだろう。  蛇口から、風呂場、トイレ、洗面台、洗濯機など水の出るところは数は限られている。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加