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「ほんとよねー。あそこの家の人。とても良い人だったのに」
「まあ、仕方ないのよね。だって……」
「あら、そうかしら?」
ミ―ン。ミ―ン。ミ―ン……。
いくら耳をすませても、蝉の鳴き声。電柱の影の近所のおばさんの話し声。
それしか聞こえてこなかった。
もう少し待つか?
うーん。
おや?
ドアが開いてる。
玄関前のスペースには、木々やゴミ袋が埋めていたが、ドアはすんなりと開いた。
「よし、入っちゃおう。不法侵入にはならないだろう」
水漏れは、酷いと聞いているからすぐに見つかるだろう。
蛇口から、風呂場、トイレ、洗面台、洗濯機など水の出るところは数は限られている。
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