プロローグ

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 グーン……。  カンカンカンカン。  カンカンカンカン。  ウインチの巻かれる音と同時に、何かの作動音が廊下からけたたましく鳴り響いた。 「うわっ! うわっ!」 「何?! 何何?」  ぼくは大きな作動音に耳を塞いだ。  友達はつっ立っているだけで、蹲るわけでもなく。青い顔をして震えていた。怖くて身体が動けなくなっているんだ。  作動音は、何かが降下する音によく似ている。  そして、ウインチは上にある何かの物体を降ろしているような音に聞こえた。
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