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「あっ、今日新しいリップグロス買いに行きたいんだけど、ツルホ寄っていい?」
「いいけど」
「やったぁ! あ、ついでにハンバーガー食べに行こうよ。それに今日はミセスドーナツの全品100円の日だし……」
今日は絶対ハンバーガー食べたいと決めていたのと、今日の昼休みに実玲とチェックしていたミセドの100円の日を思い出し、考えただけでお腹いっぱい。
お金はなくなっちゃうけど、その分の幸せは大きい。
「めんどくせぇな、ムックかミセドどっちかにしろよ」
幸せな気分を害すように、京ちゃんが冷たい声で突っ込む。
優柔不断な私は無論決められない。だからこういうときは。
「えー……京ちゃんはどっちがいい?」
「ミセド」
即答で返って来て、京ちゃんが意外にも甘党なのを思いだす。
いやぁ、人というのは見かけによらないんだね。
「じゃあミセドにしよっか!」
「おう」
わずかに京ちゃんの返事が嬉しそうに聞こえたのは、気のせいってことにしておこう。
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