ユメノ日記帳

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4月5日 今日から日記を書くことにした。 このノートと鉛筆は、物置の整理をしていた際に見つけた物だ。 旦那様に確認したところ「私はもう使わないから君の好きに使うと良い」と仰っていたので、お言葉に甘えて頂戴することにした。 最近物忘れがひどくなってきたため、日々の記録にも丁度良い。 最近は小説の案出も原稿用紙に書き込んでいる旦那様は、ノートを全く使わなくなった。 処分すれば良いと思うのだが、所有物に愛着を持ってしまう旦那様は、なかなか断捨離ができない。そのため自室や物置は沢山の物で溢れかえっていて、掃除も一苦労だ。 そういう性分だから、私のようなメイドロボットもずっとこの屋敷に置いてくださるのだと思う。 私がこの屋敷に来て、もうすぐ13年。私以外にもメイドや執事型のロボットが数体居るが、どの個体も長い間大事にしてくださっている。 その上、名前までつけているなんて、旦那様は本当に変わったお方だ。 どうやら私達の名前は、旦那様の書いた小説に登場するキャラクターから由来するらしい。 私にくださったユメという名前。小説の中では、初恋を経て成長する素敵な少女だった。 私はこの名前を甚く気に入っている。
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