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4月19日
旦那様に、記憶回路の交換をしてほしいとお願いをした。
旦那様は渋い顔をしながらも、私のまとまりのない話を最後まで聞いてくださった。
首を縦には振ってくれなかったが、考えては頂けるそうだ。
私はこのまま自分の気が付かないうちに、大切な記憶を失っていってしまうのが怖くて仕方がない。
こんな思いをするのなら、いっそのこと自分で「記憶がなくなること」を選んだ方が楽になれる気がする。
だけど、こんな時に思い浮かぶのは坊ちゃまのことだった。
実は記憶回路を交換すべきかどうか、私自身にもまだ迷いがある。
このよくわからない感情のことを、旦那様にもお話してみた。やっぱり不具合なのではないかと思ったから。
しかし旦那様が仰るには、これは不具合ではないらしい。
作り物の「心」でそんなことがあり得るのか、にわかには信じられなかったが、どうやらこの感情は
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