ユメノ日記帳

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4月7日 今日は坊ちゃまの入学式。帰宅するやいなや、新入生代表の挨拶が上手くいったと上機嫌なご様子。 ぜひ聞いてみたかったと伝えると、目の前でスピーチを披露してくださった。 内容も素晴らしかったが、堂々とした静かな声が耳に心地良い。 数週間前までは声変わりの影響でしゃがれた声だったが、今は落ち着いており、若々しさは感じるものの、すっかり大人の男性の声になっている。 しかし、いつから坊ちゃまの将来の夢はロボットのお医者様になったのだろう。 私の覚えている限りでは、旦那様のような作家になりたいと仰っていたはずなのに。 夕食時には、誕生会を兼ねた盛大なお祝いを行った。 「もう13なのだから大袈裟に祝わなくていい」と恥ずかしそうにされていたが、プレゼントや好物を目の前にすると、やはり嬉しそうなご様子だった。 日に日に大人に近付いていく坊ちゃまだが、こういうところはまだまだ可愛らしいと思う。本人に言うと機嫌を悪くしてしまうので、奥様にだけ聞こえるように耳打ちをした。奥様もそうね、とくすくす笑っていた。 食事の最中、「ユメの作った料理はどれ」と坊ちゃまにこっそり聞かれたので(なぜこっそりなのかはわからないが)答えると、それらをひと通り食べ、おいしいと言ってくださった。 今日作った煮込みハンバーグはいつもと少し味付けを変えたのだが、どうやら口にあったようだ。 忘れないうちに記載しておく。 煮込みハンバーグソース トマトピューレ、ワインビネガー、赤ワイン、醤油、野菜だし、砂糖(以前よりも少なめに) 仕上げに焦がしバターと黒胡椒
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