ドキドキのサッカーワールドカップ

カタールワールドカップ

「ベスト8、優勝経験のない国が5ヶ国もいるわ。初優勝目指して頑張ってほしいわね」
「ああ、ただしオランダ以外な」
「そういうこと言わないでよ。私は応援してるんだから」
「まだ別れたいのか？」
「さあ？どうかしらね」
サッカーの試合を楽しみながらも、いつもの調子でいがみ合う俺と那津。もうどこが優勝とか関わらず別れるのがベストか、と思う時さえある。俺は仲直りするつもりで今回の提案を出したが、果たしてどうなるだろうか……。
更に時がたち、ベスト4が決まる。
オランダ、イングランド、ブラジル、ベルギーの4ヶ国だ。南米と欧州の戦いになった。ベルギー、オランダが共に生き残っている。オランダはブラジルと、ベルギーはイングランドと次回対戦する。これは目が離せないぞ。できればブラジルに下してほしいところだが、この際オランダvsベルギーの決勝になっても面白そうだな。もちろん別れたくはないが、すごくベルギーの応援に熱くなれる気がする。
準決勝は日本時間朝4時のキックオフで、早起きしすぎて眠い。決勝トーナメントは夜中か朝方の試合で、全て観戦していて仕事に影響が出ているが、見逃すわけにはいかなかった。
ベルギーはやけに順調で、強豪イングランドをも3-1で下し、決勝に進出。翌日、オランダもサッカー王国ブラジル相手に2-1で勝利。決勝がまさかの、俺が予想した対戦カードになってしまった。
知識の多い俺は過去の大会成績も把握しており、ベルギーは2018年のロシア大会でイングランドにグループリーグと3位決定戦の2回とも勝っているし、オランダはブラジルには強く勝ち越している。相手は強豪国だが相性もあるのだろう、負けた方としてはお互いに苦手な国に当たってしまった、というところか。
日本時間の12月18日、一足先に3位決定戦が行われ、ブラジルがイングランドに延長戦で1-0で勝利し、3位が確定した。
そして明日の深夜、いよいよ決勝戦が行われる。恋人との関係の継続か解消か、大事な運命がかかっている試合になったのだ、心して見なくてはならない。