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「はい。冷蔵庫に入っているビールとお茶、すごい量ですね」
「買い出しが大変だから、先に買って貰ってたんだ」
こういう事に関しては抜かりない。
「流石に午後は暑いな。冷房付けてくれや」
「あ、はい」
甲州ワインを冷蔵庫へ戻すと、エアコンのスイッチを入れた。初夏とはいえ、日差しは日々強くなる。
「この辺りって観光する所はあるんですか?」
「もう、暇になったのか」
「夜までまだ時間がありますからね」
「車で十分くらいの所に滝があるらしいぞ。あとは、温泉も近くにあったはずだ」
「良いですね、温泉」
「行くか?」
本当は社長が行きたかったのかもしれない。
「皆さんに聞いてみます」
他人に自分の裸を見られたくないという上原と湯冷めするからと言う柴田を残し、三人で温泉に行く事になった。ついでに、滝にも寄ろうと社長が言い出し、ゆっくりする間もなく車を走らせた。
「駐車場からは少し歩くのか」
社長が膝をさする。
「止めておきますか?」
「また、じじい扱いしやがって。大丈夫だ」
「じゃあ、行ってみましょう」
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