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ドキドキ
私は昔から人の輪に入るのが少し苦手だった。人見知りだと思ったことはない。話しかけるのに苦手意識をもつことはほとんどないし、恥ずかしいと思うことも少ない。
でも、みんなが楽しそうにしている場所に入るのが少し苦手だ。みんなが笑っているのに、私だけ笑えなかったらどうしようとか。私だけ知らないルールがあったらどうしようと思ってしまうからだ。
『江見ちゃん、いつも引っ掛かるから入ったらダメ~』
そのきっかけは小学生の頃、みんなで挑戦した大縄飛び、運動音痴な私はいつもみんなの足を引っ張ってしまいせっかくいい記録が出そうになっても私が止めてしまう。
どうして上手く跳べないの? そんな無言のプレッシャーに耐えられず、私は大縄飛びの大会を仮病で欠席した。その大会の結果がどうなったかわからない。
欠席した負い目と、両親の仕事の都合で転勤、転校してしまいそのまま同級生と顔を合わせることなくお別れした。
お父さんとお母さんは、お別れの挨拶はいいのと気を遣ってくれたけれど、私は寂しくなるからいいと初めてわがままを言った。
それから月日がたって、私は高校生になっていた。ボッチというわけではないけれど、教室の仲良しグループに入ることなく、いつも一人で本を読んでいるか、勉強をしている。
耳にはBluetoothイヤホンをして、YouTubeを聞き流しながら勉強をする。こうしていると集中できるし、周りの人達もほとんど話しかけてくることはない。
(話しかけないでほしいって雰囲気があるんだろうなぁ)
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